ドイツでの生活や留学、ワーキングホリデーを計画しているあなたへ。現地で必ず直面するのが「美容院」の壁ではないでしょうか。2003年にフランクフルトで生活した際も、言葉の壁以上に「髪質の違い」に悩まされた記憶があります。今回は、現地の美容院で理想のスタイルに近づけるためのオーダー方法や、日本人の髪質を伝える実用的なドイツ語フレーズをご紹介します。
アジア人とヨーロッパ人、髪質の決定的な違いを理解する
なぜ現地のサロンで思い通りにならないことが多いのか
現地の美容院に行くと、想像していた髪型とは少し違う仕上がりになってしまうことが少なくないようです。その最大の理由は、アジア人とヨーロッパ人の根本的な髪質の違いにあると言えそうです。ヨーロッパの方々の髪は、細くて柔らかく、少し波打っていることが多い傾向にあります。対して私たち日本人の髪は、一本一本が太くて硬く、直毛で重みがあるのが特徴です。
美容師さんが普段切り慣れているのは、細くて柔らかい髪です。そのため、日本人の太い髪に対して同じ感覚でハサミを入れてしまうと、全体的に四角いシルエットになってしまったり、逆にすき過ぎてパサパサになってしまったりする可能性があります。骨格の作りも異なるため、現地で流行しているスタイルがそのまま日本人に似合うとは限らない点にも注意が必要かもしれません。
自分の髪の特徴をドイツ語で把握しておく
失敗を防ぐための第一歩は、ご自身の髪の特徴を客観的に把握し、それを現地の言葉で伝えられるように準備しておくことかもしれません。直毛なのか、くせ毛なのか、毛量が多いのか少ないのか。これらの特徴を事前に整理しておくと、美容師さんとのコミュニケーションが格段にスムーズになるはずです。
では、これらの特徴をドイツ語でどのように美容師さんに伝えればよいのでしょうか。次に、具体的なフレーズをいくつか見ていきましょう。
日本人の髪質を正しく伝えるための必須ドイツ語フレーズ
基本の髪質を説明する表現
担当の美容師さんには、まず自分がアジア人の髪質であることを理解してもらうのが良さそうです。以下のフレーズをスマートフォンのメモ帳などに控えて持っていくと安心かもしれません。
・私の髪はとても太くて重いです。
Mein Haar ist sehr dick und schwer.
(マイン ハール イスト ゼーア ディック ウント シュヴェーア)
・アジア人の髪は直毛で硬いことが多いです。
Asiatisches Haar ist oft sehr glatt und hart.
(アジアティシェス ハール イスト オフト ゼーア グラット ウント ハルト)
・私の髪は少しクセがあります。
Ich habe leichte Naturlocken.
(イッヒ ハーベ ライヒテ ナトゥーアロッケン)
ボリューム調整に関する要望
日本人は髪の量が多い人が多いため「髪を少しすいて軽くしてほしい」とお願いすることがよくあります。しかし、現地のすきバサミ(Effilierschere)は日本のものと構造や切れ味が異なり、髪がひどく傷んで見える原因になることもあるようです。そのため、道具の指定も含めて伝えるのが確実と言えそうです。
・少しすいてほしいですが、すきすぎないでください。
Bitte dünnen Sie mein Haar etwas aus, aber nicht zu viel.
(ビッテ デュネン ズィー マイン ハール エトヴァス アウス、アーバー ニヒト ツー フィール)
・すきバサミは使わず、普通のハサミで調整してください。
Bitte benutzen Sie keine Effilierschere, sondern eine normale Schere.
(ビッテ ベヌッツェン ズィー カイネ エフィリーアシェーレ、ゾンデルン アイネ ノルマーレ シェーレ)
髪質を正しく伝えたら、次はいよいよ具体的なヘアスタイルのオーダーです。イメージの共有が成功の鍵となります。
理想のスタイルを叶える実践的なオーダー方法
長さの指定はセンチメートルで具体的に
「少しだけ切ってください」という曖昧な表現は、感覚の違いから切りすぎを招く恐れがあります。長さを指定する時は、指で示しながら具体的な数字を伝えるのが無難と言えそうです。
・3センチくらい切ってください。
Bitte schneiden Sie etwa 3 Zentimeter ab.
(ビッテ シュナイデン ズィー エトヴァ ドライ ツェンティメーター アップ)
・毛先だけ揃えてください。
Nur die Spitzen schneiden, bitte.
(ヌーア ディー シュピッツェン シュナイデン、ビッテ)
・肩につくくらいの長さにしてください。
Bitte schneiden Sie die Haare schulterlang.
(ビッテ シュナイデン ズィー ディー ハーレ シュルターラング)
前髪のこだわりを伝える
現地では、前髪(Pony)を重く下ろすスタイルがあまり一般的ではないようです。前髪にこだわりのある方は、流すのか、まっすぐ切るのか、しっかりと希望を伝える必要があります。
・前髪はこのまま残したいです。
Ich möchte den Pony so lassen.
(イッヒ メヒテ デン ポニー ゾー ラッセン)
・前髪は眉毛の高さで切ってください。
Bitte den Pony auf Höhe der Augenbrauen schneiden.
(ビッテ デン ポニー アウフ ヘーエ デア アウゲンブラウエン シュナイデン)
ビジュアルイメージの活用
言葉で伝えるのと同じくらい重要なのが、写真を見せることです。この時、欧米人のモデルの写真ではなく、日本人モデルやご自身が以前良い髪型だった時の写真を見せることをおすすめします。骨格や髪質が近い写真の方が、美容師さんも仕上がりをイメージしやすいはずです。可能であれば、正面だけでなく横や後ろからのアングルの写真もあると、より正確に伝わるでしょう。
オーダーが無事に伝わった後も、予約方法やシャンプーのシステムで日本との違いを感じる場面があるかもしれません。
カット以外のメニューと知っておきたい美容院事情
予約の取り方と便利なフレーズ
現在はオンライン予約に対応しているサロンも増えましたが、電話や直接店舗に行って予約を取ることも少なくありません。予約の際は以下のフレーズが役立ちます。
・カットの予約をお願いしたいのですが。
Ich möchte einen Termin für einen Haarschnitt vereinbaren.
(イッヒ メヒテ アイネン テルミーン フュア アイネン ハールシュニット フェアアインバーレン)
シャンプーは別料金?「Trockenhaarschnitt」とは
日本ではカット料金にシャンプーとブローが含まれているのが一般的ですが、ドイツではそれぞれ別々のメニューとして設定されているサロンが多く見られます。「Trockenhaarschnitt(ドライカット)」というメニューを選ぶと、髪を濡らさずにそのまま切り始めることになります。
シャンプーからブローまで全てお願いしたい場合は、「Waschen, Schneiden, Föhnen(洗う、切る、乾かす)」というセットメニューを選ぶか、予約時にその旨を伝えておきましょう。
カラーやパーマのリスクと対策
現地のカラー剤やパーマ液は、細くて色素の薄いヨーロッパ人の髪に合わせて作られています。そのため、日本人の太くて黒い髪には薬剤が強すぎたり、逆に色が全く入らなかったりすることがあるようです。もしカラーやパーマをご希望の場合は、可能であれば日本人美容師さんがいるサロンを探すか、日本から使い慣れたカラー剤を持参してセルフカラーをするのも一つの選択肢かもしれません。
会計時のチップの習慣
施術が終わって満足のいく仕上がりになったら、担当してくれた美容師さんにチップ(Trinkgeld)を渡すのがマナーとされています。大体、合計金額の5パーセントから10パーセント程度が相場と言われています。お会計の際に料金に上乗せして支払うか、お店に置いてある担当者の名前が書かれた小さな貯金箱のようなものに直接入れるのが一般的です。
ドイツならではの美容院事情、いかがでしたでしょうか。最後に、現地のサロンを利用する際のポイントをまとめておきましょう。
事前の準備でドイツでの美容院通いを快適に
ドイツの美容院で希望通りのヘアスタイルを手に入れるためのポイントを解説してきました。重要なポイントを整理しておきます。
・アジア人とヨーロッパ人の髪質の違いを理解しておく
・自分の髪質を伝えるためのドイツ語フレーズを準備する
・長さの指定は数字で具体的に伝え、すきバサミの使用には注意する
・日本人モデルの写真を持参して完成イメージを共有する
・シャンプーが別料金であることや、チップの習慣を覚えておく
言葉の壁や文化の違いはありますが、しっかりと準備をして臨めば、現地の美容院での時間もきっと楽しい異文化体験になるはずです。新しいヘアスタイルで、ドイツでの生活やご旅行をさらに充実したものにしてくださいね。他にも現地の生活に関するお役立ち情報を発信していますので、ぜひ当サイト内の他の記事も合わせてご覧になることをおすすめします。


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